冬場の電動アシスト自転車のバッテリーの減りが早い理由はこれだ

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更新:2018年1月24日

冬場は電動アシスト自転車のバッテリーのパワーが落ちて、残量の減りも異常に早くなる。多くの電動アシスト自転車愛好家の方々がそう感じているのではありませんでしょうか?

なかでも、今回は、なぜ冬になるとバッテリーの減りが早くなるのかを説明するとともに、皆さんが出来る冬場のバッテリー対策を書きたいと思います。

バッテリーの中ではリチウムイオンが頑張っている

まず、寒くなるとバッテリーの減りが早くなるのは本当のことです。その上で、原因を見ていきます。(小難しい技術的なことを難しく書くつもりはありませんので安心して読んでください)

今回はリチウムイオンバッテリーについて書きます。

リチウムはみなさんが中学生の時に「すいへーりーべーぼくのふね」と化学の授業で覚えた「りー」の部分です。元素番号3番のあのリチウム(Li)です。

このリチウムイオンがあの黒いバッテリーの内部を移動することで電位差が生まれ、これをきっかけに電流が発生しています。高いところから低いところへものが移動すると力が発生するという原理です。学校で習った電気とか電流の授業を思い出したくない人がこのことをわかりやすくイメージするなら山の上にある「ダム」が良いと思います。

ダムはたいてい山の高いところにあり、自然の雨の水を溜めています。これを開放すると重力と高低差のために水は下に向かって流れ落ちます。この時に大きな力が生まれることは誰でも感覚的にわかると思います。水の力を侮ってはいけません。滝行をするお坊さんが頭にうける水圧は頭蓋骨に穴が開くほどなのです。知らんけど。

そして、この原理を利用しているのが水力発電です。水を上から下に向けて流し、その水の勢いでダービン(羽)を回して、それを電気に変換しています。

バッテリーに当てはめれば、この差を生み出すのが充電です。貯めた電気を開放するときは、電気を解き放つということから放電と言われます。この放電が皆さんをアシストしてくれるので、楽チンに自転車で坂道を上ることが出来るようになります。

僕は毎日、双子の子供を自転車の前後に乗せて、保育園までの送り迎えのために勾配12%の坂道をせっせと登っています。ちなみに、僕と子供二人と自転車本体を合わせた総重量は130㎏になります。このアシストがなければ絶対に坂道を上ることが出来ません。また、これは「電動アシストあるある」かもしれませんが、坂道の途中でバッテリー残量がゼロになったことが何度かあります。いきなりガクンと来るので本当に危ないです。子供を乗せて坂道を登るときは、バッテリー残量に十分注意してください。

寒いとリチウムイオンの動きも鈍くなる

人間に例えるのもどうかと思いますが、寒いとみなさん活動的じゃなくなりますよね?これと同じように、リチウムイオンバッテリーもバッテリー内が寒くなることで電解液の粘性があがってしまうため、リチウムイオンの動きが鈍くなってしまうのです。これもやっぱりダムに例えてみましょう。

通常、ダムの水は解放してあげると勢いよく下に落ちます。しかし、寒くて水が凍っているとどうでしょうか?雪解け水や氷水がトロトロと落ちるのが想像できるように、水の流れには勢いがなくなってしまいます。

全く原理は違いますが、イメージだけで言えばバッテリーの中でもこれと同じようなことが起こっているのです。そして、勢いがないということはパワーが出ないということになります。

バッテリーは危険防止のためにコントロールされている

リチウムは非常に化学反応を起こしやすい元素なので、慎重に取り扱う必要があります。そのため、あらゆる場合に備えて安全対策が施されています。このひとつと思われる制御として、電圧が小さくなってきたら、それを検知して「そろそろ終わりですよ」という指令を出します。

先の項で記述したパワー(電圧)のことを今は「出力」ということにします。寒いところではこの「出力」が小さくなってしまうのです。出力が小さくなってくると、そろそろ充電残量の終わりが近い証拠なので、電源を入れた瞬間は80%ぐらいあったバッテリー残量が、自転車をこぎ始めてしばらくすると、出力が小さいことを検知して、一気に30%ぐらいになったりするのです。それは、寒いところで自転車をこいだときの「出力」が、あらかじめプログラムされている「30%の出力と同じです」という内容と同じと判断したからです。

これより詳しい制御の中身は僕は知る由もないですが、とにかくこの時点で80%から30%に一気にダウンしたのですから、せっかくの充電が50%分損したことになります。このようなことが真冬の早朝などでは起こるのです。

冬場のバッテリー長持ち対策

バッテリーのパフォーマンスが一番良い環境はだいたい20℃ぐらいです。だから、常にバッテリーを20℃近辺に保つことが一番の長持ち対策です。しかし、自然の環境はそんなうまくはいきません。日本の夏は35℃以上になるし、冬は0℃を下回ります。

そこで、少しでもバッテリーを長持ちさせるために、ちょっとだけ気を使ってあげることが大事になります。

それは、少なくとも、冬場の夜は自転車からバッテリーを外して適温が保たれている家に持ち帰るということです。これが一番簡単で現実的にも効率的な対策なのではないかと思っています。

決して、冷たくなっているからといって、バッテリーをストーブなどで温めてはいけません。リチウムイオンバッテリーに熱を加えることは厳禁です。これだけは絶対にやめてください。

また、このような対策を行うことによって、充電機会を減らすことが出来ます。これは長期的な視点で見れば、バッテリー自体の寿命を出来るだけ伸ばすということにも貢献します。バッテリーには充電の限界があります。制御で充電回数の制限を持たせてあるものも多いと思います。おそらく充電可能回数は700回~800回ぐらいです。できるだけ充電回数を減らして、出来るだけ20℃に近い適温で使用することがバッテリーを長持ちさせるコツです。

そして、もうひとつ付け加えるなら、冬場はギアを軽くして使うことです。重いギアで走り一気に充電を消費してしまって、あとで辛い思いをするぐらいなら最初は少し我慢して進みの遅いギアで走ることもやぶさかではないですよね。

終わりに

電動アシスト自転車を使用するのは、小さな子を持つパパママや坂道の多いところに住む人。また通勤・通学・買い物などで長い距離を走る人など、電動アシストの恩恵が大きく受けられる人がメインだと思います。電動アシスト自転車に乗っているおじいさん・おばあさんもよく見かけます。

先日、電動アシスト自転車をこいでいる僕の横を猛スピードですり抜けていく電動アシスト自転車に搭載されたおばあさんを発見しました。そのおばあさんの足は、よくアニメで表現されるようにグルグルグルっと高速回転しているように見えました。あまりのスピードにびっくりしながらも目で追いかけていると、その2,3m後ろを姿かたちが全く同じおばあさんの影が追いかけていました。その後ろ側のおばあさんは「おーい、待っておくれー」という表情をしていました。そうです、高速自転車型幽体離脱だったのです。あまりのスピードにおばあちゃん自体が肉体と魂に分裂してしまっていたのです。ちゃんと本体に戻れるのか心配になりました。嘘です。(ただし、猛スピードのおばあさんは本当です)

道路交通法が改正された今日でも、相変わらず自転車の事故は多いです。自分の運転だけではなく、周りの運転にも気を付けて自転車生活を楽しんでください。

「高齢者の自動車事故」こちらの記事も参考にしてください。

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