ガーナ戦でファン幻滅 惜しまれる中島・久保・堂安

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2018年5月30日、ロシアワールドカップ代表23人発表を明日に控えてFIFAランキングでは格上(ガーナ:50位、日本:60位)のガーナとの親善試合が行われました。こうして改めて2チームのFIFAランキングを見ただけでも、決してW杯は世界のベスト32か国の戦いでないことがよくわかります。この現実をどのように理解すればよいのか自分でもよくわかりませんが、いずれにしても日本はW杯出場国の中でランキングも実力もほぼ最下位に位置していることは間違いなさそうです。

さて、この日の親善試合は選手にとっては最後の代表選考会の場になりました。また、西野監督の使命としてはメンバー選考とその組み合わせ、また戦術の確認と非常に厳しい場となりました。おまけに激しい雨の中での試合では連携プレーを見るには参考になりにくく、もはや何のための試合なのかよくわからなくなってしまいました。

ガーナ戦の寸評

今回のガーナ戦で西野監督は3バックシステムを採用しました。3バックだからということはないと思いますが、ガーナは試合開始当初、サイドに開く選手にどう対応すべきかを決めあぐねていたのか、それとも最初からゾーンで守ることを決めていたのか、とにかくプレスが甘く日本にとってはサイドを使いながらバスを回す日本代表が理想とする?ポゼッションサッカーが出来る状況になりました。これで結果が出なければ現日本代表のサッカーは通用しないということになります。

結局、試合は僕があまり良く思っていないサイドからの単調な攻撃が増える形になってしまい、チャンスはいくつかあったものの、攻撃陣にとって有利なピッチコンディションでありながら、1点も奪えないという結果に終わってしまいました。現日本代表のサッカーはFIFAランキング50位の二軍チームに通用しなかったのです。

終了のホイッスルと同時に起きた観客のブーイングが日本のサッカーファン全ての想いを物語っていたと思います。多くの人がこの結果に幻滅したというのが本当のところだと思います。

この日のガーナははっきり言って強いチームではありませんでした。ランキングこそ日本より格上ですが、W杯出場国のセネガルなどと比べれば力は格段に劣っていました。一軍選手ならまだしも二軍選手ですから当たり前です。ディフェンスのマークは甘かったし、攻撃陣にも飛び抜けた選手はいませんでした。そのようなチームから、日本の得意なゲーム運びが出来る形になりながら全く結果が出せなかったのですから、もはやこれまでという印象を多くの人が持ったことでしょう。あのブーイングは中島翔哉や堂安律・久保裕也の招集を望む多くのサッカーファンの心の声だったのではないでしょうか。

見えた可能性

あまり収穫のなさそうな試合内容でしたが、そんな中でもあえて日本代表の可能性の話をするならそれは柴崎選手かも知れません。彼の良さはパスを出すタイミングの早さです。この能力はある意味においては状況判断の早さゆえと言えます。つまり、自分がボールを受ける瞬間にこのタイミングでパスを出せば味方が相手を置き去りに出来ると一応判断しているということです。「ある意味」と書いたのは、それは味方がいつどのように動き出すかという状況までを判断しているかどうかは疑わしいからです。相手のディフェンスの準備が整う前にパスを出しますので、味方との意思の疎通さえ出来ていれば多くのチャンスを生み出すことが出来ますが、味方をも欺くパスではただの独りよがりになってしまいます。ノールックパスや予期せぬフェイントで味方が騙されるのと同じです。意思の疎通が大事です。

また、サッカーではタイミングが非常に重要な要素です。パス・フェイント・シュート、どれを取ってもタイミングが良ければ成功の可能性が高まります。そして、これらは常に相手があることです。パスの場合、その相手とは味方のことです。息を合わせるには互いのプレーの癖や質を知っておく必要があります。これはある程度場数を踏んで確認し合うしか方法はありません。柴崎選手のパスのタイミングに味方選手が付いて行けるようになれば、特に縦への攻撃が早くなり俊敏な日本人の特性を生かして得点チャンスが多く生まれると思います。また、サイド攻撃にこだわらない彼のゲームの組み立て方も日本代表はチームとして取り入れるべきとも思います。

日本サッカーに思うことと足りないこと

改めて日本サッカーについて思うこととして、日本代表のサッカーは、攻撃面で言えばサイドからのセンタリングが多くかつボールの軌道が単調です。また、各個人のシュートの意識は低くシュート精度も良くありません。

ディフェンス面では抜かれることを恐れるあまりウォッチが基本になっていて、人数が足りていてもズルズルとラインを下げることが多く、速攻でなくても自陣に深く入ってこられます。1対1に弱い意識を持っているので勝負が出来ないのかもしれません。これでは組織で守っているとは言えないような気がします。事実、日本代表に選ばれる選手はフィジカルが弱い選手のほうが多いので、1対1に限らずガチャガチャした競り合いではボールを奪われることが多いです。見ていて悔しいですがこれも日本代表(もしかすると日本人)の特徴です。

何度でも言いますが、日本代表に足りないのはフィジカルの強さとシュートの意識とシュート技術です。中島翔哉選手や堂安律選手はそれの一部を持ち合わせています。さらに彼らには勢いがあり、これからの可能性を感じます。だからこそ代表に入れて欲しいと考えていました。代表にはベテランの落ち着きや経験は必要ですが、それは少人数で良いのです。基本的には若くて勢いのある選手でチームが構成されるべきと僕は考えています。

まとめ

僕は4年前のブラジル大会での惨敗後にこう思ったのです。

日本がW杯で結果を残すには、フィジカルを鍛えることとシュートの意識と精度を上げることが必要だと。そして、今、何も変わっていない現実を見せつけられて少しがっかりした気分です。セルジオ越後さんの意見を聞きたいところです。

話はそれますが、僕はセルジオ越後さんと一緒にフットサルをやったことがあります。もう20年以上も前の話です。基本的には人を楽しませるサッカーをする人ですが、ブラジル人の気質でしょうか、サッカーではかなりの負けず嫌いでした。スポーツにおいては負けず嫌いは絶対的に必要です。

それはさておき、日本はW杯という特別な大会をサッカー人生の集大成の場にしてはいけないと考えています。つまり、W杯という場を完全に出来上がったものをお披露目する場にするのではなく、まだ不完全でも期待が持たれる有望若手選手にも世界の実力を経験させて戦わせる場にすべきだと思うのです。そうすることで、若い世代がより日本代表を意識するようになり、底上げが図られ、日本は強くなっていくものと信じています。そして、ベテランはより危機感を感じるようになり、さらなる実力の維持が図られることでしょう。

全てを若手で固めろと言っているのではありません。ピークを過ぎたベテランがこれほどまでにこれからの日本サッカー界を担う若手に優先されてしまうと有望な若手がピークでの代表入りを逃してしまう機会が増えてしまうということを言いたいのです。

4年後、今回選出されなかった若手選手はピークを過ぎている可能性があるという事実を日本サッカー協会や代表監督は考えているのでしょうか。このことがどういうことかを日本サッカー界全体が真剣に考えなければならないと思います。日本サッカーが世界に通用するようになりたければW杯という大会は特別な存在を除いては、2回も3回も経験するような場にしてはいけないのです。W杯の代表はオリンピック代表などのように個人の実力で勝ち取るものではないのですから。

W杯は国の威信をかけたサッカーによる戦いの場であって、個人のリベンジのためにある大会ではないということを日本代表選手自身も理解しなければなりません。そういう意味では中田英寿の引退は潔かったと思います。少なくとも今回代表に選ばれた自信ありげな発言をするベテランはその部分で勘違いしていると思われます。

4年前と同じ過ちを繰り返さない準備が出来たのか、ロシア大会をそういう目で見ると、日本代表の本質的な問題が理解できるかもしれません。

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