更新:2018年3月24日
とりあえずサウジアラビアに勝って、勝ち点3を取れてほっとしましたね。さて、みなさんは、僕がサッカー日本代表にひと言 サウジ戦を前にで書いた記事を読まれたでしょうか?そこに書いた日本代表の姿が、この試合でも出ていましたね。フリーの場合や態勢を崩したときのシュートの不正確さ、パス最優先のプレー、サイドからはクロスの一本槍で、相手に読まれすぎて味方に届かないこともしばしば。残念ながら日本代表のシュートとサイドでのプレーは今に始まったことではないが精度が低いと判断せざるを得ません。ただ、長友だけは日本代表のサイドバックとしては良いプレイヤーだと思えました。
サイドバックの欠点
サウジアラビア戦(2016.11.14)でのサイドバックは、酒井宏樹と酒井高徳でした。彼らを高く評価している人もいると思いますが、彼らには代表レベルで大きな活躍ができない決定的な欠点があります。これらの欠点はなにも彼らに限ったことではありません。かつての代表で、右サイドバックをやっていたイケメンの人(名前をド忘れしましたけど、あえて調べません)もそうでした。名前を挙げたこの3人(ひとりは名前がいまだに思い出せませんが・・・あっ思い出した!内田や!)は、いずれも海外でプレー経験があります。しかし、やはりいずれも攻撃面では活躍できておりません。
サッカー経験者なら気付いている人も多いかと思いますが、その決定的な欠点とは、「片足しか使えない」しかも「ボールコントロールが下手」ということです。もっと詳しく言えば、右サイドバックなのに右足(プレーするサイドと同じ足)しか使えないということです。逆に、左サイドなら左足しか使えないというのが欠点になります。
代表サイドバック3人の技術比較
今、比較のために、3人の技術的な特徴を書いてみます。
- 酒井宏樹:右サイド/右利き/テクニック下手
- 酒井高徳:左サイド/右利き/テクニック下手
- 長友佑都:左サイド/右利き/左少し使える/テクニック普通
次に、彼らの試合での攻撃面でのパフォーマンスを書いてみます。
酒井宏樹
- 縦にスルーパスをもらって単調な右足のセンタリング(精度は極端に悪い)
- サイドでボールを受けると、縦勝負が出来ないから、ほとんどがバックパス
- 中に切り込んでシュートを打つシーンは皆無
酒井高徳
- 縦勝負は出来るが、左足が使えないので、えぐってのセンタリングはない
- 中に入っていくことは出来るが、テクニックがいまいちでシュートがほぼ打てない
- 慌てることが多く、さっくりボールを奪われることが多い
長友佑都
- 縦に突破して左足でセンタリングが上げられる(精度は普通でファーまでは飛ばない)
- 深いところまで切り込んでいくこともできる(ファールを誘う)
- 左サイドから中に切れ込んでシュートが打てる(一応、脅威となりえる)
というわけで、上記の違いを見ればわかる通り、ある程度活躍できるのは、曲がりなりにも両足が使える長友だけだということがわかると思います。長友以外の選手が、代表の試合で大きな活躍できない理由は、先にも言ったとおり、右サイドバックで右足しか使えないということです。テクニックの問題はもちろんあります。代表クラスのハイレベルサッカーではこれらの問題は致命傷となります。
サイドバックとして活躍するには、両足が使えるということが必要条件だという僕なりの自論を持っていますが、もし片足しか使えないのであれば、右サイドバックなら左利き、左サイドバックなら右利きが有利という自論も持っています。
右サイドは左利き、左サイドは右利きが有利
なぜなら、余程足が速くない限り、右利きの選手が右サイドを縦にぶち抜くことは出来ないからです。酒井宏樹は右サイドにいるにもかかわらず、必ず右足でボールを前に出して、縦を突破しようとします。これで右サイドをぶっちぎって右足でセンタリングを上げたシーンは見たことがありません。当たり前です。その方法では次元の違うスピードがない限り縦に相手を抜くことが出来ないからです。
一方、長友が縦に突破が出来るのは、左サイドで右足を使って前に飛び出すからです。これは、相手と対峙したときの距離感、すなわち懐の広さが関係しています。サイドでは、どちらの足でどのようにボールを持つかということが、次のプレーの有利不利を生み出します。そして、攻撃側が次のプレーを有利に進めたいなら、両足が使えることと、ある程度のボールの扱いの上手さが必須になります。
このような自論を持つ僕が言いたいことは、「どうして、日本代表に下手くそや両足が使えない選手を選ぶのか」ということです。
しかし、ここで選手を責めるのはかわいそうです。選手を選ぶのは監督だからです。責任は監督にあります。ただ、そうは言っても、代表に選ばれた限りは、日の丸を背負ってもらわなければいけませんので、それなりの仕事をするための努力をしなければなりません。
日本代表のサイドバックにひとこと言いたい!
縦への突破力がないサイドバックは攻撃面では役に立たないから、そうできるように研究してくれと。攻撃に参加すべき役目が監督から与えられたのなら、そうできるように頑張ってほしいです。
俊輔や本田が右サイドで良い仕事が出来るのは左利きで右が少し蹴れるからです。逆に長友が左サイドで活躍できるのは、右利きで左足が少し蹴れるからです。俊輔や本田は、確かに技術面もしくはフィジカル面で優れているということもありますが、彼らが左にいて、長友が右にいるという逆のポジションを想像したとき、彼らは本来のポジションと同等の活躍ができると思いますか?もしくは活躍したところを見たことがありますか?僕はあまり活躍出来ないと思っているのです。
では、なぜ右サイドが右利きだとだめなのでしょうか?(2位じゃダメなんでしょうか!みたいですね) ダメなんです。これでは、次のプレーが相手に読まれやすくなるからです。
右利きと左利きのプレー幅の違い
こんな場面を想像してください。
右サイドバックの酒井宏樹が、縦にぶち抜けないと考えたので中にドリブルで切り込んでいきました。さて、次のプレーは何でしょう?
答えは、①中央へのグランダーのパスか、②バックパスで立て直すか、③センタリングのための右への縦パスです。これらのうち、②バックパスは相手にとってはすぐには脅威にならないですし、③右利きの右へのパスは精度が上がりません。そして、いずれにしてもシュートはないのです。
結局、相手がケアしなければならないのは①中央へのパスだけなので、相手は非常に守りやすいのです。これが左利きだとどうでしょうか?
一番相手にとって嫌なのは、①シュートを打たれることです。
中に切り込まれたら真っ先にケアするのが①のシュートなので、ディフェンスは身構えます。そして、②のドリブルもファールをしないようにしながらケアしなければなりません。また、左利きの選手が右から中央に切り込んだ時は、③横パスは簡単ですし、④右に出すパスも出しやすいです。つまり、相手にとって危険な選択肢が多くなるので、それだけチャンスが生まれます。何よりシュートが打てるのです。左サイドも同じ理由で、右利きが有利になります。
もう理由は明らかになりましたが、本当に一番の理由は、右利きの右サイドバックは右足でシュートを打つ機会がないということです。右利きは右足が得意だから右利きなのに、右サイドでプレーする限り、その得意な右足でシュートが打てないのです。これはなんという矛盾でしょうか。
ただ一つの例外があるとすれば、右のアウトサイドで強烈なシュートが打てる右利きの人が右サイドにいる場合です。逆に、左なら左のアウトサイドで強烈なシュートが打てる左利きの人です。
こんなことができるのは元ブラジル代表選手で言えば、ロベルト・カルロスとか鹿島アントラーズに在籍していたレオナルドとかジョルジーニョレベルの選手に限られます。ここまでの技術を持っているなら、もはや利き足は関係ありません。
日本代表のサイドバックの課題と克服
さて、それでは現在の日本代表におけるサイドバックの問題はどうやって克服していけばよいのでしょうか?それにはまず最初に、代表選手の選出基準を見直す必要があります。
A代表の選手は、ほとんどが成長した大人です。大人になってから急にボールテクニックが上手になったり、足が速くなったりすることはほとんどありません。A代表の世代では、各選手のポテンシャルは、ほとんどが顕在化しています。つまり、見る人が見れば、誰がどの程度のことが出来る能力があるかが明らかになっているということです。あとは、この可能性を選ぶ側がいかに見抜くかがポイントです。
それには、日本代表のサイドバックとして必要な技術・体力・スピードの基準をはっきりさせることです。これに達しない選手がいないからと言って、現在活躍している風の選手を安易に選んでしまうからこのような状況になってしまうのです。
選手選びは監督に大きな権限がありますから、サッカー協会の意見が通らないことも多々あると思いますが、それでも日本代表を強くするためには、協会をあげてそれらの基準に達するような選手の育成をどんどんやらなければなりません。
今、話題の久保建英選手は日本人ですが、育てたのはバルセロナという環境でした。海外でいろいろな経験をすることも、今後に大きな影響を与えますが、まずは国内でこのような育成環境を作ることが重要です。
話題が広がりすぎるのも何なので、サイドバックの話に戻します。
そうすると、少なくとも、代表のサイドバックなら①両足でボールをコントロールできること。②得意な足と逆サイドでプレーさせることの2点を、まずは日本代表にやってもらいたいと思います。それだけでも日本の攻撃力はアップすると思います。
最後に
これは、あくまで僕の個人的な見解に過ぎません。少しでも日本代表が世界の上位になれるようにとの思いから出た意見です。日本代表は僕たちの代表です。このことを胸に刻んで僕たちの期待に応え続けてもらいたいです。
頑張れ!日本代表!