世論調査は信頼性の低い参考意見と受け取るべき

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最近、よく「世論調査」という言葉を耳にするようになりました。ほとんどが政治絡みの世論調査結果ですが、政治家が問題を起こしたり責任を問われたことを契機にメディアはこぞって世論調査結果を発表をします。政治に対して責任を問う側もまた調査を行って発表する側もメディアですから、要はメディアのマッチポンプ(自作自演)が可能です。さて、そんな一見して怪しい世論調査ですが、その調査結果の信頼性はどうなのでしょうか?はたして、国民はその結果を信用してもよいのでしょうか?

世論調査とは

いわずと知れた世論調査ですが、僕の手元にある岩波書店の広辞苑第五版によると、世論調査の意味は以下のように記されています。

【世論調査/せろんちょうさ・よろんちょうさ】ある数の人々を選んでその意見を尋ね、集団や社会の世論を調べること。

世論調査は一般的には「よろんちょうさ」と読むことが多いと思います。世論の意味は「世間一般の論(意見・考え)」ということですから、それらを調べた結果が世論調査結果となります。また、世論調査はその目的によって調査の対象が異なります。国民全体を調査したいのか、男性なのか女性なのか子供なのか大人なのかまたそれらの組み合わせなのかなど様々です。それらの目的に応じてその母集団から無作為に一定数を聞き取り調査します。※母集団とは、国民全体の意見を調査するのであれば「国民全体」がそれであり、女性から意見を聞きたいのであれば、「女性全体」が母集団です。

聞き取り調査の結果は統計学的に見て一定の信頼性が得られる必要があります。この条件を満たして初めて「一般国民はこのように考えている」というように一般世論として成り立つものと考えます。調査数が少なすぎたり、性別や年代に偏りが生じると、たちまちそのデータは信頼性を失うものとなります。

各メディアの世論調査結果が異なる理由

世論調査を行う新聞各社の調査結果(例えば政党支持率など)は、常にばらついています。これはどうしてでしょうか?上記にも調査条件について言及し、みなさんに置かれましてもすでにご承知のように、それには主に以下の4つの理由が考えられます。

  • 調査の対象がばらついている
  • 質問の内容が異なっている
  • 調査の数が異なる
  • 意図的にバイアスを掛けている

調査の対象がばらついている

調査の対象がばらついているというのはどういうことかと言うと、各社でどのような人からどのような割合で調査結果を得たかという違いがあるということです。様々な調査で影響を及ぼす性別や年代の割合の違い、地域の違いなど、調査の対象がばらついているということです。これは各社の結果のばらつきの要因にもなりますし、また、その集団がそもそも日本国民全体の縮図となっているかどうかも調査の結果に影響を及ぼします。

上記に例として示した政党支持率の調査であれば、その対象は必然的に有権者としなければ意味がありません。また、有権者は18歳以上ですから、18歳から100歳ぐらいまでの年齢別人口構成や男女比などを加味したデータの収集を行うことでより信頼性のあるデータとなります。逆にここから遠ざかれば遠ざかるほど信頼性のないデータとなっていきます。平日の昼間に行う電話での調査などは、その対象がお年寄りか主婦に集中してしまうため、実態を反映しないというのはすでに多くの人から批判があるとおりです。

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質問の内容が異なる

調査の際、その質問の内容は非常に重要です。人の思考は複雑ですので、一つの物事に対して様々な思いを巡らします。そのため、人によっては質問に対する解釈に違いが生じ思わぬ回答のばらつきを生み出します。また、質問に対する選択肢が少なすぎたり、思う回答の選択肢がなかったりすると、無理やりに選択肢の中から回答を選ぶこととなり、思いが反映されなくなってしまいます。また、誘導尋問のような形式は作為であれ無作為であれ最悪です。このような調査結果は世論を正しく表すことはないので注意する必要があります。

調査の数が異なる

調査の対象や質問の内容もさることながら、調査数は多ければ多いほどその信頼性は高くなり、少なければ少ないほど信頼性が下がります。言うまでもなく究極は国民全員に聞くことです。しかし、実際にそれは出来ませんから一定数からデータを取得して、それを以って全体の意見として発表することになります。この一定数の結果を以って判断する例は身近なところでは「選挙速報」が分かりやすいのではないでしょうか。選挙速報では、開票率1%程度で「当選確実」が報じられることがあります。当選確実と言っても稀に外れることはあります。あくまで統計学的に信頼性が高いということで思い切って発表しています。外れるリスクもありますがそこはテレビ局が責任を負って報道することになります。いずれにしても調査の数が異なれば信頼性も異なりますので、その調査数が多ければ多いほど信頼性が高いと言えます。



意図的にバイアスを掛けている

ばらつきを生み出す最も大きな原因がこのバイアス(偏り)です。調査する側が回答の方向性を誘導するような質問をしたり、選択肢のバランスが悪い場合などです。はっきり言えば、これは世論調査ではなく世論誘導です。新聞メディア等の世論調査ではこのようなことが行われていると言っても過言ではありません。どんなにその意図はないと主張しようとも言い逃れは出来ないほどその意図的バイアスは明らかです。政治に関する調査は多くの場合でそれを物語っています。うがった見方をするなら、調査結果からその報道機関によるバイアスを見抜くという方法があります。世論調査は基本的にはどの機関が行おうと、一定数以上の調査結果を得ているのであればその数字はさほどばらつくことはありません。ところが、統計学的に見たばらつきが異常な場合、それは明らかなバイアスが掛かっていると言えます。ある政党の支持率を調査したとします。支持率が高くなっていれば支持、低くなっていれば不支持になるようにバイアスを掛けているということです。各メディアがどのような思想信条を持っているかは、そのような裏読みの結果から明らかになります。

世論調査結果はどのように受け取るべきか

結論から言えば、「受け流す」のが良いと考えます。「参考にする」という方もいると思いますが、世論調査の流れになびくというのだけはやめたほうが良いです。そもそも世論調査の中には自分の考えも反映されているのです。ひとりひとりの考えの集まりが世論調査結果なのに、その結果に流されるということは世論に誘導されているということです。すなわち自分の考えを捨てたということに近い状態になります。世論を誘導する者がいるこの世の中で世論に誘導されるということは、まんまとその罠にはめられたことになります。その瞬間からその人は騙される側に立ったことになります。そうならないためには自分のことは自分の頭で考える癖を付けなくてはいけません。だから、世論調査は世論調査として受け止め、自分の意見がその結果のどこに位置しているかということは気にしたとしても、それによって自分の意見を変えるのではなく、自分の考えを信じることです。



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